slow ark
SLOW ARK 2003-01
2003年10月イタリアはピエモンテ州トリノで「スローフード・アワード」が開かれました。森林破壊の防止を評価されたギアナのブバカール・カマラ氏及びママドゥ・バイロ・ディアロ氏、女性だけの法人を成功させ、有機農業、地鶏飼育の導入が評価されたグアテマラのAMIDI、ギリシャ独自品種の畜産の成功による生物多様性への貢献が評価されたディミトリオス・ディモス氏、トルコの伝統的アプリコット栽培を復活させたことが評価されたハイダール・アラゴス氏。そして、佐賀県で農業を営み、弥生時代に作られていた黒米などの古代米を、有機的な方法で育てている武富勝彦氏の5組の方々が「スローフード・スペシャル・アワード」を受賞されました。
「スローフード・アワード」は、生物の多様性を守る活動を応援する賞であり、 また昔から土地に伝わる食べ物の味を守ることや、関連している調査、研究も対象となります。 武富氏は鹿児島県で作られていた古代米と出会い、自らも育てることを決意し、 細々と作られていた古代米を蘇らせ、葦などを有機肥料として使用することを 広めていこうとしている姿勢が評価されました。 この賞は、スローフード運動のプロモーションではありますが、食を通じて、 世界各地の個々の文化を大事にしていかなくてはならない、ということを世界中に改めて訴えかけているのです。
SLOW ARK 2002-07 Books to read and eat
日本特集として、日本では絵本を通 して食事や料理における文化的な重要性や習慣などを、
子供に教育していることについてとりあげています。
101種類の果 物や野菜、パンなどの様々な食品を描いている絵本、誕生日会を紹介している絵本、
毎月幼稚園で配布される様々な種類の観点からの料理、食事についてのすぐれた絵本、食品の製造過程などを
主人公の少年が実際に体験している絵本などが紹介されています。
お月見の時には、満月の下に団子を置いて、収穫を祝うということは、現在ではほとんど見られませんが、
子供たちにお月見の本来の意味を伝えようとしています。またお正月にはいろいろな種類の餅を用意し、お正月用の飾りをつけ、市場に買出しにいき、 年越ソバを食べ、夕食後はお茶とともにみかんをいただく…という、標準的な日本の家族が描かれています。
これらの絵本を通して、日本における食物と伝統行事との強い絆について、比喩的に表現しています。 その一方で西洋化される日本人の食生活についてもふれ「大きい亀型のお皿の上に、トマトソースで 赤く色づけられたピラフで小さな山を作り、エンドウマメ、ハンバーガーやソーセージでちょっと豪華に。 そしてくさび型のトマトを2つ。2、3枚のレタス。2つの苺に挟まれた3切れのバナナ。 最後はうさぎの耳型にカットされたりんご」…さて、なんの料理の説明かわかりますか? チキンライスにウサギのりんご、そうです、お子様ランチです。そして、そのお子様ランチこそが 日本における食事の西洋化を象徴しているのです。 子供たちにとってスナック食品の食習慣が及ぼす影響の重要性、また、食事が目にも魅力的で 優雅でなくてはならないということについて、改めて考えさせられるのです。
SLOW ARK 2002-06 生物の多様性のための協会に関する特集記事
アメリカ人、メキシコ人、アイルランド人、アイスランド人、スペイン人、ポルトガル人、イタリア人などの作者によって、
北海のタラ漁の特徴、鱈の塩漬干、工場的に生産される鶏肉、マヤ族のとうもろこし、ユニークな製法のチーズ、
イギリスの湖水地方の国立公園を巡る旅について述べられています。これらの各国での、生物の多様性を保護しようとする動きは、
スロー運動のひとつであるだけではなく、スローワークにおける新たなる試みでもあります。
今日、食糧生産のパターンは、農畜産物の種類の減少を導き、低コストで高利益を求める社会の流れを作りました。 遺伝子組換え食品は、実際に収穫されており、エネルギー資源および環境の面 においては、人類にとって、 非常に高利益です。しかし、この低コスト高利益という理論は、大切な天然資源を取り返しのつかなくなる事態に 導くことになると考えます。多様性に富んだ生物を根底から減少させ、結果 として貧富の格差を広げるでしょう。
では、スローフード協会としては生物多様性を存続するために何ができるでしょうか。ガイドラインとして、 生物の多様性、スローフード・アワード、イタリアや国際的なプレシーディアを選定し、保護することによって、 低コスト高利益という社会の流れをせき止めようとしています。そして、スローフード協会は新しいアイデアと プロジェクトを維持し、地方の農業に新しい活力をあたえ、販売促進の好循環のために努力します。 目的を達成するために、財団はNGOやFAO ほか研究財団含むすべての分野で協力を得ることになるでしょう。